「幸せになってくださいね。」
住民票、戸籍の附表の閲覧制限(DV等支援措置)をかけてきました - やまいびと
の余談なんですが・・・。
とてもラッキーなことに、住民票の閲覧制限(DV等支援措置)の審査担当の女性相談員は、とても穏やかで聞き上手で、私は途中からはカウンセラーにでも話すように「もっと聞いて」という気分になってしまう位でした。
虐待の内容なんて、親しい友達相手でもそうそう話せないですからね・・・。
ひとしきり話を聞いた後、女性相談員さんはこう言ってくれました。
「あなたは十分に頑張ってきたと思います。これからは、幸せになってください。」
優しい言葉だけれど、聞いた瞬間に違和感を感じたんです。
私は虐待を受けた経験から、親とは縁を切り、子供を産むことも拒絶して生きてきました。
家族の絆の中で生きて子育ても立派にこなしている人達と比べ、「過去も未来も否定した自分は根無し草だ」という心もとなさを感じていることは自覚していました。
女性相談員さんの言葉で、心のもっと奥の方で「親を捨てたような人間は、幸せになってはいけない」とも思い詰めていた自分に気付いたのです。
こんなサイトを検索して訪ねて来てくれる方にも、辛い過去や思い通りにならない状況を抱えている人が多いと思います。
でも・・・
私達、十分に頑張ってきたよね。
もういい加減、幸せになりたいよね。
今は幸せが遠く感じられるとしても、いつか幸せになることを、諦めたくはないよね。。。
住民票、戸籍の附表の閲覧制限(DV等支援措置)をかけてきました
私は2017年頃、住民票、戸籍の附表の閲覧制限をかけてきました。 この閲覧制限は「DV等支援措置」という制度を利用して、かけることが出来ます。制度の概要は総務省のホームページを読んでみてください。
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/dv_shien.html)
役所の手続きは役所に相談してみるのが早いのですが、こういう内容はなんとなく言い出し辛いですよね。
私自身、他の方の体験談に助けられたので、今度は私の体験談を記しておきます。
家族には現住所がダダ漏れです。
日本では、法的に親子の縁を切ることは出来ません。
それだけではなく、親とは決別し、親には引っ越し先を教えずに引っ越し、連絡も絶って別々の生活を営んでいたとしても。
分籍をして新しい戸籍を作ったとしても。
あなたの現住所は、家族、特に親にはダダ漏れる制度になっています。
親族が見ることが出来る、あなたの現住所が書かれた公的資料には、 住民票(及び住民票の除票) 戸籍の附表 住民基本台帳 があります。
住民基本台帳は、昔は申請さえすれば誰でも閲覧できることになっていたのですが(恐ろしいですよね)今は公的な用途や研究等で必要と認められた場合にのみ閲覧できるよう制度が変わっているので、こちらはあまり気にしなくていいのかもしれません。
住民票は原則、本人か同一世帯の人以外は委任状無しには請求出来ないのですが、本人になりすまして取得しようとする人もいるでしょう。
戸籍の附表に至っては、なんと「戸籍に記載されている人、その配偶者または直系の親族(祖父母、父母、子、孫など)」であれば、本人の委任状が無くても写しを請求出来てしまいます。
そしてこの戸籍の附表には、転居するたびに新しい住所の情報が書き加えられていきます。
つまり、あなたが親に隠れて何度引っ越そうと、分籍して親とは別の戸籍を作った上で何度転籍しようと、あなたの親はあなたの戸籍の附表の写しをいつでも取り寄せて、現住所を知ることが出来てしまいます。
そこでかつては、家族に現住所を知られずに生活したいと思えば、住民票を実家や前住所に残したまま引っ越す、書類上は知人の家に住んでいることにしてもらう等、住民票上の住所を偽るしかありませんでした。
住民票上の住所を偽ることは違法です。
違法なだけでなく、必要な市民サービスを受けられない・身分を証明しなければならない場面で不都合が生じるなど実害も小さくありません。
また知人の住所を借りた場合は、暴力を振るうような問題ある家族がその知人宅に押しかける等、その友人に迷惑がかかるリスクもありました。
過去の虐待の場合でも、住民票・戸籍の附表の閲覧制限(支援措置)がかけられるようになりました
そんな被虐者にとって朗報なのが、近年、かつては配偶者のDVや現在進行形の虐待だけに限られていた住民票・戸籍の附表の閲覧制限が、過去の虐待にも拡張して適用されるようになったことです。
この制度を利用すると、基本的には住民票や戸籍の附表の写しは本人にしか取得できなくなります。
代理人や郵送による住民票の取り寄せが出来ない、コンビニでの交付などを受けられない 住民票の請求時には厳格な本人確認がなされる、つまり必ず本人が役所まで出向かなければ住民票の写しを請求出来なくなるなど若干の面倒は生じますが、ある日絶縁したはずの親が家の前に立っていたという事態を避けるには、これ位の面倒は大したことではないですよね。
手続きの流れ
相談先は、住民票を置いている自治体の住民票課です。
この手続きには審査が必要で時間もかかるため、予め電話などで問い合わせておくと、話がスムーズだと思います。
予め警察に相談しておいた方がいいのかな、と警察にも問い合わせてみたのですが、こちらは「配偶者からのDVの相談しか受け付けていない」と門前払いでした。
ここら辺は自治体によっても違うかもしれないので、やはりまずは電話で問い合わせるのがいいかと思います。
また、住民票の住所と本籍地が異なる場合でも、住民票を置いている自治体で支援措置が決定すると本籍地とも連携してくれるので、別々に手続きする必要はありません。
当日の手続き:書類 印鑑(三文判でOK)と身分証明書を持って住民票を交付している窓口のあたりに行き、来所理由を伝えると担当が来てカウンターに通されました。簡単なパーティションはあるものの、ふつうに住民票を取りに来た人達がワンワンいるような、普通の窓口のカウンターです。
そこで申請書類を渡されて記入。
内容は 自分の住所、氏名、電話番号 転居前の住所 現在の本籍地、過去の本籍地 加害者の指名と続柄 支援措置を受けたい理由 理由!理由を書く欄があるなんて知らなかった。
こんなちっさい欄に簡潔に書かなきゃならないと知っていたら予め準備してきたのに、ここに書いた内容で却下されたらどうしよう?!
戸惑う私に、担当さんは「これは審査を始めるための書類に過ぎないので、簡単でいいです」と言い、「暴力を受けていたこと」と書き始めた所でペンがとまっていたのですが「これで十分です」と担当さんに引き取られてしまいました。
他にもう一枚、支援措置の内容が説明された書類に「理解して申請する」旨のサインと判をついて、申し込みの書類は完了。
・・・私は既に親とは別の住所に住み、その後分籍もしていました。家族と同じ戸籍や住民票のままの人などは別の手続きも必要になるかもしれません。
当日の手続き:面談による審査
続いて、「女性支援員」という肩書の女性の面談による審査を受けます。 「女性支援員」だったのは、特に女性の被虐者の場合は性的虐待の可能性もあることへの配慮でしょう。
場所も、執務室の片隅の倉庫兼会議室といった簡素な場所ながら個室に通されて行われました。 聞かれた内容は、家族構成、成育歴、虐待の内容と現状でした。 虐待の内容を重点的に聞かれるのかと思っていたのですが、前半は延々成育歴。
過去の虐待は証拠がない分、話の辻褄が合っているかの確認をするのか・・・。人によっては、学校に行かせてもらえなかったとか親戚をたらいまわしにされたとか、成育歴から「虐待」とわかる事実が出てくる人もいるのかもしれません。1時間位はかけて話を聞いて頂きました。
私なんかは、色々なブログを長く書いてきて過去に起こった事自体はかなり開き直っていますし、女性専門員さんが聞き上手な方だったので、カウンセリングでも受けているような気分で話が出来ましたが、トラウマで未だ混乱中の状況の人や、担当が被虐者への接し方の心得の無い人だったりすると辛い作業かもしれません。
そこは我慢です。
支援措置決定通知(または否決の通知)の郵送
面談が終わると、その日はおしまい。
後は役所の結果が郵送されてくるのを待ちます。
私の場合は、住民票の閲覧制限については審査から半月程度、戸籍の閲覧制限については一か月程度で届きました。
特に、転居を考えている方などは、支援措置の決定は転居前になされないと意味がありませんので時間的ゆとりをもって手続きすることをお勧めします。
更新の手続き
審査が通って支援措置の期限は1年。毎年更新が必要です。
更新を忘れると、また現住所などの情報がダダ漏れる状況に逆戻りです。
毎年審査があるそうですが、最初の支援措置の審査よりはずっと簡単な現状の確認程度だそうです。
支援措置を受けなきゃならないような酷い虐待があった家庭が、たった1年で和気藹々とした家族に大変貌!なんてことはまずないので、「措置解除の申請をするまでは措置継続」として欲しいところですが、特別な計らいなのでこれも仕方ないことなのでしょうか。
引っ越しの手続き
引っ越しの時にも、自動的には転居先の住所に支援措置の引き継ぎはなされませんので、引っ越し先に、支援措置の決定通知を持っていって、引っ越し先の自治体でも措置を引き継いでもらう手続きが必要です。
親切な職員さんに教えて頂いたのですが、困った家族がいる場合は「引っ越す前に、現住所と引っ越し先の住民票課に相談にきてほしい」のだそうです。
住民票課の職員は、現場に近い場所にいて、酷い暴力をふるう家族がいるという相談は、それなりに受けてきている。
閲覧制限以外にも、住民票を元の住所に置いておく等、それなりのノウハウはあるので、住民票を移してしまう前に相談に来てもらえれば出来ることもあるから、ということです。
オプションの手続き:警察への事前相談
これは必須事項ではありませんが、担当してくれた女性相談員に助言されました。
支援措置の決定通知を携えて、警察の生活安全課に予め相談しておけばいざという時に迅速に動いてもらいやすいはずですと。 かつて警察は「民事不介入」、また家族の事となると尚更、相当酷い暴力を受けていても立ち入らないものでしたが、近年の虐待やDVの増加を受けて、家族間の暴力でも動いてくれるように、なってきてはいるようです。
・・・それで相談には行ったのですが、警察は基本「今現在ボコボコにされてます」という事案しか扱わないようです。
なので、「何しに来たの?」という対応をされる可能性は高いです。
ただ、「相談に来たということで、記録を残しておいてください」と伝えれば、まあ、話は聞いてくれるし、規則で「こういう相談がありました」という情報は一定期間保存されるようです。
塩対応される可能性はありつつも、「何か」あった時の保険として、相談の履歴だけは残しておいた方がいい、のかもしれません。
必要な人に支援措置が行き渡る社会になってほしい
私の場合は非常に誠実に対応いただけ、審査も通って支援措置が決定してほっとしているところですが、残念ながら、申請すれば皆が必ず閲覧制限をかけてもらえるわけではないようですし、対応も自治体や担当者によってまちまち、というのが現状のようです。
ネットで検索しても却下された人の体験談など目にしますし、私自身、一度申請を見合わせています。
最初に自治体に電話で問い合わせた時、担当に横柄な態度で「親はあなたの現住所を知らないと、確実に言えるの?」と質問されました。
このエントリー中でも説明したように、これまで住民票等の閲覧制限がかかっていないということは、親が私の現住所を既に知っている可能性を否定できないということです。
現住所を教えたりはしませんでしたが、親は私の電話の盗み聞き、私の部屋やゴミを漁る等の異常な行動を異常とも思わずに繰り返す人達でしたので(私の親は、私が親とは別の人格をもった一人の人間であるということを理解していなかったのだと思います)、引っ越しを決めて実家を去るまでの数日の間に、新住所を突き止めていてもおかしくはありませんでした。
それを正直に伝えると「住所を知られている可能性がある以上、あなたは閲覧制限の対象外です」の一点張り。 その担当の話が正しいのであれば、支援措置の対象者は住民票を移す暇もなく、着のみ着のままでシェルターに駆け込んできたDV被害者・・・位しかいないという事になってしまいます。
親が既にこちらの住所を知っている場合、今更閲覧制限をかけても意味がないのは事実ですが、閲覧制限下で再度引っ越すことで安全性は増します。
そう訴えても、取りつくシマがありませんでした。
担当の勘違いなのか、個人的に閲覧制限に否定的な意見を持っているのか、或いは余計な仕事を増やしてくれるなという役所的怠慢なのか分かりませんが、書面で申請する前に門前払いされてしまいました。
ただ私も強かでしてね。役所というところは異動のサイクルが早いですから、一年位置いてから再度問い合わせをしてみたわけです。
狙い通りといいますか、その横柄な担当は異動になっており後任はごく良識的な方だったので無事申請してこれましたし、配慮ある対応をして頂けました。勿論「家族が既に現住所を知っている可能性がある人は対象外」なんて言われませんでした。(もしこれを読んでいるあなたが、問い合わせ時に私と同じ質問をされたら、「家族には一切住所を告げていません」という事実だけを伝えるのがいいかと思います。)
「仲良く助け合う家族」が理想なのは言うまでもありません。けれど一部の市民にとっては、家族に住所を知られる事が心身の安全を脅かすことに繋がるという事実があるのです。
決して担当の主義主張や怠慢で申請をハネつけるようなことなく、必要な人には行き渡る措置になって欲しいと願っています。
鮮烈な文章
(ブログ自体はずいぶん前に削除していて、PC内にバックアップデータがあるのみです)
私は痛いと伝えることに、恐怖を感じていた
マッサージを受けていても痛いと言えなかった
体中の凝りが酷い私はマッサージを受けることがあるのですが、程よい力加減って人によって違いますよね。
AC真っ盛りだったの私は、施術が痛くても言えませんでした。
お金を払って、私が気持ちよくなるための時間と技術を買っているのだから、当然言う権利はあると分かっているのに、です。
もし「弱すぎて効かないなあ」と感じているけれど、マッサージ師さんが非力な方で真っ赤にして施術していてそれ以上「強く」とお願いするのは酷だなあと感じた・・・ならまだわかりますが
「もっと弱くして」と言われて困る人はまずいません。
普通に伝えられる人からみたら、わざわざお金を払って黙って苦痛に耐えているとか意味が分からないでしょうし、マッサージ師にしても、コリをほぐすために働いているのに、客が苦痛しか感じていないとなると「せっかくの仕事が台無し」なわけで「言ってよ!」って話でしょう。
靴擦れしていても、痛いと言えなかった
別の機会で、たとえば友人と街を歩いていて、靴擦れを起こしても、言い出せませんでした。
とにかく歩き切る以外しかたない山歩き中に「もう歩きたくない」と言われたら困る人もいるでしょうが、街中で「ちょっと絆創膏買ってきていい?」と言われて嫌がる人はまずいないでしょうし、普通に健全な人なら友人が痛みに耐え血を流しながら自分とのショッピングを続けていたなんて後から知る方が申し訳なく思うでしょう。
何もないのに病院にかかったら医師から怒鳴られる・・・ような気がしていた
身体の一部がどうしても痛くて、受診した時も、私は物凄く緊張していました。
レントゲンで異常がみつかった瞬間に「ほっとした」ことで自分が恐怖感で緊張していたことに気付いたのですが・・・普通は「異常なし」と言われた時にほっとしますよね。
そこでやっと「この感情は、おかしい」と気付いて・・・自覚しました。
何も異常がなかった時に、医者が「なんともないのに痛がるな!病院になんか来るな!」と怒鳴りつけてくる・・・そういうイメージを、私は持っていたのです。
父の呪いだった
もちろん、医者は異常がみられない患者が来るたびに怒鳴りつけたりしません。
じゃあ、誰が。
父でした。
父が、私が痛いとか辛いと訴えると、寄り添うどころか「これ位で痛いと言うな」「これ位で辛いと言うな」と怒り出す人だったんですね。
医者や、友人、マッサージ師に父から「学習」したことを重ね、痛い、苦しいと伝えること自体に恐怖を感じるよう刷り込まれていたようです。
虐待を受けると「こんなところに」と驚くような所に地雷が埋まっており、大人になった後にも必要ない所で恐怖を感じたり緊張したりして振り回されることになるんですよね・・・。