やまいびと

ある闘病当事者・機能不全家庭出身者のブログ ~生きにくい人生を送ってきた私から、生きにくさを抱えたあなたへ~

ブレインフォグ 「決断出来ない」は、素晴らしい決断をしようとして迷ってる訳ではない

うつ病やブレインフォグがある時に「決断出来ない」という状態に陥ることがあります。
言葉面だけ捉えると「完璧主義な誰かさんが、素晴らしい決断にこだわるあまり決断出来ず、物事を引き延ばす」というイメージを持たれると思います。

現に当事者を目の前にしている方も、そのように感じるかもしれません。
そして「完璧な選択肢なんて無いよ。もっと適当に選びなさい」なんてアドバイスしたくなったりします。

でも当事者の感覚は、健康な人の「決断出来ない」とはかなり違います。

頭にぼんやり靄がかかったようになって、思考や判断能力自体が落ちてしまう

私は、うつ状態やブレインフォグがひどい時に道を渡れなくなったことすらあります。

駅前の細い道。横断歩道はあるけれど信号はない。
車はわりと途切れなく通るけれど、横断者が多いと分かっているのでどの車も徐行している。
小さめの駅ではよくある普通の道です。

でも病的に思考力が低下している時には、こちらに走ってくる車が自分の所を通りかかるまでの時間と自分が道を渡り切るまでの時間を、みつもることすら、出来なくなることがあるのです。
そんな「判断」、判断している自覚すらないままに判断して渡っている人が多いのではないでしょうか?

車が見えていても、十分に距離があるから渡っちゃって平気だし。
・・・知ってます。

多少強引に渡っても、相手も駅前で徐行してるんだから避けてもらえるし。
・・・知ってます。

でも、出来ないんです。
私だって、いつもは普通に渡っています

あの日の私は、傍目にはただぼんやり車を眺めているように見えたでしょう。
内心は途方に暮れて、車が一台も見えなくなるまで呆然と立ちすくんでいました。

ブレインフォグの度合いは体調に左右され、波の合間には普通に判断が出来ます。だから尚更「やれるのにやらない人」に見えるのだと思います。

傍目には、大したことない平凡な判断の為に延々迷う、優柔不断な人に見えます。

「なんだよ、やたらと待たせるから凄いアイディアでも出してくるのかと思ったら、全然普通じゃん。なに時間かけてるの?さっさとやれよ」
なんて思われてるんだろうなあ。
本当は本人が一番分かっているし、歯痒いんですけどね。

スペック自体はごく普通なのだけれど、しょっちゅうフリーズしたり、フリーズしかけて異様に処理が遅くなるパソコンを思い浮かべて頂くと、実態に近いように思います。