やまいびと

ある闘病当事者・機能不全家庭出身者のブログ ~生きにくい人生を送ってきた私から、生きにくさを抱えたあなたへ~

お子さんが不登校になったら、病気や体質も疑ってみて

不登校が、増えていると聞きます。

私には現実の不登校児の知り合いはいないのですが、不登校問題では「気持ちの問題」ばかりがクローズアップされがちな様子なのが気になっています。

勿論、世の中には苛烈ないじめも存在しますし、不適応をおこして学校に行けなくなる子も少なくないのだと思いますが
もしあなたのお子さんや身近な子が不登校になっている時は一度、身体の病気も疑ってみてください。

貧血、甲状腺疾患、睡眠障害(概日リズム障害やナルコレプシー)、起立性調節障害慢性疲労症候群なども、疑ってみてください。
あるいは、「特に病気はないけれど、虚弱な人」というのも存在します。

必要なのは医療的な支援や病児・虚弱児としてのバックアップなのに「気持ちの問題」にされて勉強の機会すら奪われている子は、実際には少なくないのではないかと私は感じています。

というのも、もし私が子供時代に今の体調に陥っていたら、不登校だ、気持ちが弱いせいだと決めつけられていたという確信があるからです。

実際には私は気持ちは弱くないし(むしろままならない体調のまま20年も生きのびてきたのだから、かなり強い方だと思う・・・)、毎日決まった時間に起き決まった時間に決まった場所に出掛けていくことは出来ないけれど、寝たままなら働けます

身体由来の不登校が理解されにくい理由のひとつに「ものすごく頑張れば」短期間であれば無理がきくというのもあると思います。

たとえば、あなたは富士山に登れるでしょうか。
富士山というのは、普段特に鍛えていない人でも、予め体調と装備を整えて気合いを入れれば案外登れるものなのですが、そういう人は下山後身体中アチコチ痛くなって何日かは動けないくらいの疲労を感じるでしょう。
その時に「ほら、やればできるじゃない。これからは毎日登ろうね」と言われたら、あなたはどう感じますか?

病弱な身体には、ただ普通に登校して椅子に座っているだけのことが、あなたにとっての富士登山ぐらい体力的に無理がある作業あることもあり得るという目線で、じっくり話しあい、専門家を訪ねてほしいと思うのです。

もし、お子さんの不登校の原因が体にある場合、必要なのは精神科医や心理カウンセリングや叱咤激励ではなく、「他人より弱い身体でこの社会をどう生き延びるか」を一緒に考えることになります。
とても幸運なことに、コロナ禍の副効用で、勉強も仕事もオンラインでも可能なことが実証されつつあり、選択肢が増えています。
無理矢理登校を強いるより、プログラミングその他の在宅でも可能なスキルを身に付けることで将来を拓ける子はいると思うのです。