やまいびと

ある闘病当事者・機能不全家庭出身者のブログ ~生きにくい人生を送ってきた私から、生きにくさを抱えたあなたへ~

テイカーに搾取されないためには、ギブアンドテイクを心がけることが必要

ギブアンドテイクの関係性

この間、知人から「ちょっとした手土産」としては高価すぎるものを頂いてしまいました。
しかもおすそ分けではなく、わざわざ買ってくれたもの。

「何かお返ししないとな」と考えています。
「もらいっぱなしはよくない」
これが、普通の「マッチャー」の考え方、「ギブアンドテイク」の関係性です。

イカーは、奪うだけで返さない。

私は学生時代結構真面目に授業に出ていたので、試験前に「ノート貸して」と言ってくる人は多かったです。
お互いに休んだ部分を埋め合うならいいのですが
どの授業もまともに出ていないから自分は貸せるノートはないよ、という人もいた。そういう場合、私が借りる立場なら、少なくとも丁重にお礼はするし、お菓子をつけて返すとかランチを奢るとか考えますが

まるで権利であるかのように借りるだけ借りて、挙句ノートの内容に文句を言う人までいた。

これが「テイカー」です。
・・・怒らなかった当時の自分にもハラは立つんですけどね。
「テイカー」は、考え方が、根本的に違う。

それに気付かず、私は搾取されっぱなしで卒業しました。
いえ。AC真っ盛りだった私は、搾取されていると気付いていて断れなかったのかもしれません。

イカーから搾取されないための行動

どうしたらいいか?といえば多分シンプルに
相手が見せてくれる誠意の分だけ、自分も誠意を返す」を心がけるだけです。

一般的にギブアンドテイクは「相手がしてくれた時は返しなさい」という意味で使われますが、相手が「ギブ」してこないなら、こちらからも「ギブ」はしないという意味でも、ギブアンドテイクを心がけるのが大事です。

こんな風に言葉にすると「人間関係を利害で考えるなんて!」と思われてしまいそうですが、搾取されないためには必要なこと。

そして、やり方は簡単で「頼まれてもいないことをする」のをやめるだけで、大体大丈夫です。

イカーの大半は、「困っている自分」をこれ見よがしに見せつけてきて周りからの援助を引き出そうとしてきます。
正面切って何かを依頼することは少ない。頼めば、「借り」が出来るからです。
イカーは、ギバーが手助けしても「借り」にはカウントしないため、そして何か不都合なことが起こった際に「私はそんな事頼んでいない、あなたが勝手にしただけ」と開き直るための逃げ道を確保するために、相手から「○○しようか?」という言葉を引き出そうとしてきます。

「私はそんな事頼んでいない、あなたが勝手にしただけ」
きっと、こんな記事を読んでいる人は、言われた経験がありますよね?

相手が要望をチラつかせても、グッと我慢します。
単に要求に気付かないフリをしたらいいだけです。
「どうしよう。明日試験なのにノートがない」と言われたら「そう。大変ね」と相手の状況に共感だけして、足早に立ち去ればいい。

依頼された時だけ、手助けの範囲を考える

改めて依頼されたら、自分がどこまで手助けしていいかを考えます。
NOと言ってもいいし、「今回が最後」「じゃ、ランチ奢ってよね」と条件をつけてもいい。
要望をチラつかせてこちらが動くのを待つタイプの人とは、こ手の交渉が成立しないのも問題で、かつ相手の思うつぼなんですよね。

原因は、自分自身の中にある。

機能不全家庭出身者は、こんなシンプルで当たり前の行動を取ろうとすると、ひどく不安になる事に気付くんじゃないでしょうか。

自分から相手の要望を察して手助けしなければならないという、恐怖に近い感情がわいてくる。

自分の親から、何かを要求したい時には不機嫌になってみせ、子供がそれに気付いて親の機嫌を取りにいかないと暴力、という行動パターンを繰り返し刷り込まれて育ってきたからです。

不安が沸き上がってきたら、
「これが親なら何が起こったか」を書き出してみます。
そんな殺伐とした家庭で生き延びてきた自分を、まずは労ってください。


次に、「その知人の要望を無視したら何が起こりそうか」も書き出してみます。

体格的に明らかに大きな大人である親から殴られたり怒鳴られたり食事を与えられなかったりすることは実際に恐ろしいことでしたが

知人の頼みをスルーするくらいで、大したことは起きないと気付くはずです。

不安と恐怖でいっぱいになってしまい、「搾取されていると分かっていても、手助けしてしまった方がマシ」と感じた時は、まだ心の準備が整っていないということですから、手助けしてしまっても構いません。

ゆっくり、進んでいきましょう。

 

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この記事はアダム・グラント氏が提唱する「ギバー」「テイカー」「マッチャー」という考え方を前提に書いています。興味がある方は氏の著書なども読んでみてくださいね。